Effective Fragment Potentialの使い方
備忘録的に記録しておきます。
GAMESSでは、EFP(Effective Fragment Potential)を使ってよりリアルに溶媒効果を考慮することができるようになっています。要は、溶媒分子を予め量子力学で最適化し、諸々の特性(電荷、双極子、反発ポテンシャルetc...)を計算しておき(これがEFP)、目的の系に何個かくっつけて計算するわけです。さらに、その周りをPCMで囲うこともでき、安価でよりリアルな溶媒和を再現することができます。
(※ちなみにEFPの内部の座標はフリーズ扱いですので、系に合わせて動きません)
EFPにはEFP-1とEFP-2という二つのグレードがあって、RUNTYP=MAKEFPでdat(pun)ファイルに生成するEFPはEFP-2に該当します。問題は、構造最適化などのgradient計算にはEFP-1しか適用できず、EFP-1はGAMESSに収録された二種類の水分子しか用意されていないのです。つまり、現状ではEFPを使った溶媒和環境下での構造最適化は、水中しか行えないということです。次期バージョンでEFP-2が使えるようになることを期待しましょう。
実際の実行方法は以下の通りです。
通常の最適化入力に以下のセクションを加えます。
$EFRAG
COORD=INT
FRAGNAME=H2OEF2
O1 6 1.8 2 175 1 180
H2 7 0.95 6 109.5 2 60
H3 7 0.95 6 109.5 2 -60
$END
COORD=INTは、EFPの配置を内部座標(z-matrix)で指定することを意味し、デフォルトはCARTです。この行には他にもオプションがありますが、特に指定することはないと思います。
FRAGNAMEでEFPの名前を指定します。内部にH2OEF2とH2ODFTがありますが、ここでは前者を使っています。
EFPの空間配置を決定するには、3原子の位置を指定する必要があります。ですので、ここでは全ての原子の位置をz-matrixで指定しています。ちなみに、$DATAセクションから通し番号で考えればよいみたいです(上記の例は、$DATAセクションに6原子あって、O1はその6番目の原子から定義しています。そして、H2は先に定義したO1(これが7番になる)から定義しています)。
ちなみに、EFPの中のO1,H2,H3という記号は予め決められています。EFP-2を自作して計算する際も、EFP中の各原子にオリジナルな名前をつけて指定します。
また、EFP中の原子の空間配置と厳密に合わせなくても、方向が指示できればよいようです。上記の例は、EFPで定義されている結合長・結合角からずれていますが、勝手に修正して計算してくれます。