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計算結果の妥当性の判断基準って?

計算化学が、実験化学者にとって身近なツールになって結構な時間が経ちました。
Gaussianなどは、そのユーザーフレンドリなIOでその地位を確固たるものにしていますが、それは同時に何の量子力学の知識も無い人が、とりあえず計算することだけはできるということでもあります。
(これには私も含まれますね)

ある系を対象に計算をしようと思ったとき、どういうモデル化学を選ぶかが最も難しいように思います。実験的な構造データ(例えばX線結晶回折)があれば、それと良く合うモデル化学を選ぶというのが一般的なのでしょうか。しかし、実験の条件と計算の条件が一致している若しくは非常に近い場合でないと、それは意味が無いような気もします。
実験結果と整合性の取れるモデル化学を選ばざるを得ない―第一原理に人間の任意性が介入せざるを得ないのが、現在の計算化学の姿のように思います。

計算化学は、実験の補足という位置づけから飛躍し、実験と対等―実験では見えないことを見るとか実験には多大な危険や労力がかかる事象を間接的に予測するなど―に用いられるようになりましたが、「予測」がどれぐらいの精度か、ということはどうやってわかるのでしょう?

ある既存の系によく合うモデル化学で、その既存の系とちょっとだけ違う系の計算を行う。その結果は、当然元の系の結果よりも誤差が広がっているかもしれないし、むしろ縮んでいるかも知れない(元々の誤差が、系の変化によって相殺されるとか)。こんなの、わかりません。
特に、未知の化学に計算化学で踏み込むときは、その判断基準をどう持つかで、どんな結果も生み出し得るわけです。基底関数を限界まで拡大して、電子相関を最大限考慮(場合によってはFull CIでも)して計算できれば、まともな値が得られる可能性は高いと思いますが(当然100%なわけはない)、そもそもそんな高価な計算をある程度の大きさの系(20~50重原子)についてできる環境は、そう無いでしょう。

やっぱり、まだ計算化学は一部の人のモノに過ぎないのではないか、と思ってしまいますね。

そう、素人に到底扱えるような代物ではありません。
だからと言って、私がこのサイトを放棄するわけではありませんよ?まぁ、分子に魅せられた人間がここにも一人いるということです。そういうことを考えていたら、MOLDAを開発した吉田先生を思い出しました。molda.orgが403になっていたので、こども省に転載された、吉田先生の言葉にリンクを。

[訃報][分子の美しさ]MOLDAの吉田先生

コメント

TBをどうも。私も一昨日MOLDAサイトがForbiddenになっているのに気付いて悲しくなったばかりです。
http://web.archive.org/web/*/http://www.molda.org/
でその歩みの一部を辿れるのがせめてもの救いでしょうか。
そしてもちろんMOLDAの世界中のユーザーにその思いは伝えられています。

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