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複核錯体Co2(CO)8の不思議

ここ数日、タイトルに出した錯体「Co2(CO)8」の構造最適化に挑戦してます。この錯体は、Co原子2つと一酸化炭素8分子からなる複核錯体で、Co-Co結合とμ配位の一酸化炭素二分子、そして普通の単座配位の一酸化炭素6分子から成ります。Pauson-Khand反応の触媒として知られていますが、これの構造最適化が一筋縄ではいきません。

まずは、HF/631dLAN(LANL2DZ for Co, 6-31(d) for C,O)で最適化をかけてみたところ、以下のような構造に。

何じゃこりゃ。架橋COが無くなってるし…

で、いろいろやっているうちに、HF/STO-3Gで最適化してみると…


おっ、何かちゃんとした構造になってる!(同じ初期構造なのに)
わざわざ精度の低いモデル化学にしたらまともな構造に収束したというのは、予備知識なしではかなり驚きますね。この場合、原因が何なのかまだはっきりしませんが、
(1)電子相関を考慮していないモデル化学では、STO-3Gの計算誤差がちょうどいい具合に作用してこうなった
(2)LANL2DZのECPがこのタイプの錯体には向いていない
(3)その他
などがとりあえず思いつきますが…(何だその他というのは)

現在、MP2/631dLANで、HF/STO-3Gの結果を初期構造にして最適化中…どうなることやら。

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